販促グッズの担当者になったら、まずは何から始めたらよいのでしょうか。
「スケジュールは?」
「予算は?」
「何を作る?」
「個数は?」
「名前は入れる?」
「そもそも誰に相談できるの?」
など未経験だと戸惑ってしまいます。
「そもそも販促グッズって、何のために、誰のために作るのか?」ということすら、あまりよくわからないのではないと思います。
今回は、販促グッズの担当者になったら知っておきたい印刷に関することについて、事前の確認事項やスケジュール、費用、依頼する業者、印刷方法の種類まで幅広く解説致します。
販促グッズとは
まずは、販促グッズとは何なのか、ノベルティグッズとの違いや販促グッズを作る目的・種類、事前確認事項についてご紹介します。
販促グッズとノベルティグッズの違い
販促グッズとは、販売促進のために活用する販売戦略のことです。ノベルティグッズとは、企業・ブランド・サービスの認知度を向上させるために、名称やロゴが印刷されたアイテムを無償配布する戦略のことです。
販促グッズには、必ずしも宣伝のための企業・ブランド・商品・サービスの名称やロゴが印刷されている必要がないことがノベルティグッズと異なります。
販売戦略という大枠で考えれば、ノベルティグッズも販促グッズの1つに含まれているということになります。
販促グッズを作る目的
販促グッズを作る目的は、販売を促進することです。宣伝に限らず、消費者を購入へと誘う動機付けであり、売上を伸ばすための戦略全体のことです。
例えば、来店特典に先着順に粗品を配布したり、ある商品を購入するとおまけの商品が付いてきたりという具合です。
販促グッズの種類
販促グッズの種類は豊富です。定番アイテムとしては、ペン、メモ帳、ノート、パスケース、カードケース、キーホルダー、タオル、カレンダー、マグカップ、Tシャツ、エコバッグ、スマホケースなどがあります。
販促グッズを作る前に確認しておくこと
販促グッズの担当者になったら、販促グッズの製作に入る前に以下のことを確認しておくことをおすすめします。
①目的
②ターゲット
③スケジュール
④個数
⑤予算
⑥グッズを何にするか
⑦名入れをするか
⑧グッズは既製品かオリジナルか
⑨デザイン
⑩どこの業者に依頼するか
知っておきたい販促グッズの印刷のこと
印刷に関する費用は
名入れ印刷に関する費用は、商品代・送料以外に、製版代と印刷代が加算されます。製版代と印刷代は、商品の形状・素材・必要ロット数・印刷方式・文字数・ロゴの有無により異なります。
名入れのスケジュールは
販促グッズ製作の一般的なスケジュールは、概要の確認→依頼業者の決定→業者への依頼→担当者との打ち合わせ→商品の決定→名入れ原稿の確認・決定→名入れ印刷→サンプルの確認→納品という流れになります。
商品の在庫状況や注文数・デザインなどによってもスケジュールは変わってきます。
商品により印刷できないものはあるか
近年の印刷技術の発達により、販促グッズを作る上で印刷できない商品はほぼありません。
ロゴのデザインが複雑で、イメージどおりの印刷ができない場合でも業者に相談してみましょう。
印刷方法の種類
発注前に印刷方法を知っておくことは大切です。
企業名やロゴマークなど、グッズによって印刷方法が異なり、仕上がりも違ってくるからです。
ここでは、販促グッズの担当者知っておくべき印刷方法と各印刷方法のメリット・デメリットについてご紹介します。
パッド印刷
パッド印刷は、シリコンパッドにインクを転写し、素材にスタンプのように押しつけて印刷します。
文房具・キーホルダー・ゴルフボールなど曲面や凹凸がある立体素材にも印刷でき、小さな文字や細かい線を表現できるメリットがある反面、パッドのサイズに制限があるため印刷範囲が狭いというデメリットもあります。
UVインクジェット印刷
UVインクジェット印刷は、インクジェットプリンタによりUV(紫外線)で硬化する5色のインクを噴出し、素材に直接転写して印刷します。
版を使わず微細なドットで柄を表現するため、写真やグラデーションも表現でき、シルクプリントと比べると価格が安く、少ロット印刷に適しているメリットがある反面、数量を多くしても単価が下がりにくく、白色は印刷できないというデメリットがあります。
オフセット印刷
オフセット印刷とは、印刷版を使って転写して印刷します。
クリアファイル、クリアフォルダなど透明な素材へ裏側が透けたような印刷や絵柄の下に白を印刷して裏側が透けない印刷ができたり、写真やグラデーションを使った凝ったデザインも表現できたりしますが、版が必要なので少ロットでは割高になってしまいます。
箔押し印刷
箔押し印刷とは、超音波溶着機により、金・銀・色箔の文字や絵柄を溶着させて印刷するので、光沢が出て高級感のある仕上がりになるというメリットがある反面、細かい文字や絵柄が潰れやすいというデメリットがあります。
昇華転写
昇華転写とは、インクジェットプリンタで印字した転写紙をマグカップ、グラス、タンブラーなどの容器に貼りつけ、高温加熱加工によりインクを気化させて素材に浸透させて印刷します。
フルカラー写真や細かいイラストが表現できますが、若干のにじみが発生することもあります。
シルク印刷・回転シルク印刷
シルク印刷(シルクスクリーン印刷・シルクプリント)は、シルク版(デザインをプリントした転写紙)の隙間からインクをヘラで擦ることで押し出し、素材にインクをのせて印刷します。
Tシャツや布バックからボトルやグラスなどさまざまな素材に印刷できます。
同じ原理で、素材を回転させて印刷する回転シルク印刷は、ボトルやグラスなど曲面素材に360度全面への印刷ができます。
シルク印刷は、色あせせず、耐久性もあり、濃い色の生地にも発色よく印刷できるので、文字やロゴマークの印刷に適しています。
しかし、版が必要なので、写真などのフルカラー印刷や細かいデザインやグラデーションなどの濃淡があるデザインなどは困難です。
コスト面では、大量生産できるので、1個あたりのコストを下げられ、大量に作るほどお得になります。
その反面、印刷するための版が必要なため、少ない枚数では割高になってしまいます。
フルカラー差し替えシート
フルカラー差し替えシートは、フルカラープリントのシートを差し替えるプリント手法です。
色数や素材の形状にとらわれず、紙媒体の表現がそのまま再現できるデジタル印刷なので、少ロット印刷に適していますが、オフセット印刷と比べると印刷品質が劣ります。
レーザー彫刻
レーザー彫刻は、レーザー光線により素材の表面を削って印字します。
非接触加工なので凹凸面や曲面でも加工でき、高級感ある仕上がりになります。
印字は、素材の下地金属になるので色は指定できず、熱で変質してしまう素材には印字できません。
その他の印刷方法
その他の印刷方法についてまとめてご紹介します。
凸版印刷は、力強い仕上がりと活字の美しさが魅力ですが、製版に手間とコストがかかるため、現在でははがきや名刺など限られた一部の印刷にのみ使われています。
凹版印刷は、グラビア印刷とも呼ばれ、写真の再現に最適ですが、やはり製版コストが高く、大量印刷でなければ採算が合いません。
オフセット印刷と類似する水と油の反発を利用した平版印刷もありますが、オフセット印刷とは異なります。
シュリンクフィルムやシュリンクラベルも押さえておきましょう。
シュリンクフィルムとは、熱を加えると縮むフィルムで、あらゆる形にフィットさせられます。
この特性を利用したものに市販されているペットボトルなどに張り付いているシュリンクラベルがあります。
デジタルデータから直接シュリンクフィルムへデジタル印刷するオンデマンド印刷という手法があります。
カラー印刷かモノクロ印刷か
カラー印刷かモノクロ印刷にするかは、販促グッズの効果の面で非常に重要になってきます。コストにも影響しますので、よく吟味して決定しましょう。
業者と打ち合わせる前にどこまで決めておくか
業者と打ち合わせる前に、販促グッズの目的、ターゲット、予算、必要ロット、名入れの有無、オリジナルを作るかどうかなどの大枠は決めておきましょう。
大枠がしっかりしていないと、業者との打ち合わせでブレてしまい、本来の販促グッズの効果を最大限に引き出せなくなってしまいます。
販促グッズ製作業者と印刷業者は同じ業者か
販促グッズ製作業者と印刷業者は、同じ業者の場合もあれば、製作業者が名入れ加工を外注する場合もあります。
コストやスケジュールに影響しますので、業者選定の際によく確認して発注しましょう。
オリジナルな商品やデザインは可能か
オリジナル商品やオリジナルデザインの製作は可能です。販促グッズの効果を考慮して、既製品から選ぶか、オリジナルを製作するかを決定しましょう。
まとめ
販促グッズの担当者になったら、制作目的、ターゲット、スケジュール、個数、予算、商品内容、会社名の名入れの有無、既製品かオリジナルか、デザイン、依頼する業者などについて、確認することから始めましょう。
販促グッズの概要が決まったら、依頼業者を決定して、業者側の担当者に相談しましょう。
業者側の担当者と協議する上で、印刷方法の種類やスケジュールの流れなど最低限の知識があれば有益な協議が可能です。
本記事を参考にしていただければと思います。
なお、販促グッズをご検討の際にはぜひ、「名入れ製作所」サイトをご利用ください。