お祝いにぴったりの胡蝶蘭。花弁がまるで蝶が舞っているように見えることから、その名がつけられたといわれています。とくに大きな特徴は、1つの茎に花が連なって咲くことです。花の滝のような美しい佇まいは、見る者を魅了します。

胡蝶蘭は大きく分けて2種類あり、花が10〜15cmほどになるものを「大輪胡蝶蘭」、6〜9cm程度の小ぶりな花がつくものを「ミディ胡蝶蘭」と呼びます。背丈は大輪胡蝶蘭が80cm程度、ミディ胡蝶蘭が40〜60cm程度です。

大輪胡蝶蘭は存在感があるため、とくにお祝いに向いていますが、規模の小さい店舗や事務所などでは邪魔になることがあります。贈り先の規模によっては、ミディ胡蝶蘭を選ぶのも良いでしょう。

開店祝いや昇進祝いなど、慶事の際に登場する胡蝶蘭。しかし、なぜお祝いに胡蝶蘭を贈るのでしょうか。

理由はさまざまですが、ひとつは胡蝶蘭の花言葉にあります。胡蝶蘭の「幸福が飛んでくる」という花言葉は非常に縁起が良く、さらなる発展や商売繁盛を願うというようにも受け取れるため、お祝いにぴったりなのです。

また、胡蝶蘭は見た目が豪華で高級感があり花が長持ちするので、お祝いの場を彩るインテリアとして役立ついう理由もあります。

さらに、胡蝶蘭は香りや花粉が少ないのでどのような場所でも置きやすい、水やり回数が少なく受け取った相手に負担がかかりにくいといったメリットもあるため、お祝いの贈り物として重宝されています。

贈り物の胡蝶蘭を探しているときに、「似たような胡蝶蘭なのに、ショップによって全然金額が違う」と思われたことはないでしょうか。花茎の本数や輪数が同じなのに金額が違うのは、胡蝶蘭のグレードや品質が異なるからです。たとえば、胡蝶蘭のコンクールで受賞した胡蝶蘭は、非常に高額になります。

また、新種や希少種の胡蝶蘭、丁寧に栽培された高品質な胡蝶蘭なども、手に入りにくい、栽培に手間がかかるなどの理由から金額が高い傾向にあります。

写真では同じに見えても、実物を比較すると見た目の美しさが大きく異なるため、大切な贈り物として胡蝶蘭を選ぶときには、ぜひ品質にもこだわってみてください。

胡蝶蘭はさまざまなお祝いの贈り物に向いています。特に多いのは、飲食店や事務所の開店・開業祝いです。お店や事務所の開店・開業の際には多くの人が集まりますが、胡蝶蘭があると華やかさがアップします。

香りや花粉が少ないため、クリニックやサロンのオープン祝いにもおすすめです。そのほか、移転祝いや引っ越し祝い、昇進祝いのギフトとして使われることもあります。

胡蝶蘭には白やピンク、白い花びらに赤い花弁の紅白などいくつか種類があるので、用途に合わせて胡蝶蘭の色を変えるのも良いでしょう。

たとえば白の胡蝶蘭には「清純」「無垢」という花言葉があるので、結婚祝いにも向いています。また、白は弔事にも使える色であるため、お悔みやお供えとして贈る方もよくいらっしゃいます。

紅白の胡蝶蘭は見た目にも縁起が良いので、開業祝いや就任祝いなどぴったりです。無難に白の胡蝶蘭を選ぶ方も多いため、胡蝶蘭の色にまでこだわると、ほかとはひと味違う贈り物になるでしょう。

胡蝶蘭の花持ちは、1ヶ月前後です。ただし、胡蝶蘭は15〜25度程度の気温を好むため、夏は通常よりも早く花が萎れることがあります。といっても、鉢植えの胡蝶蘭が生花のブーケのように数日で萎しおれることはありません。

胡蝶蘭にとって快適な場所に置くと次々に花が咲くため、2〜3ヶ月程度持つこともあります。胡蝶蘭が好むのは、以下のような環境です。

• 気温が15〜25度程度
• 木漏れ日のような柔らかい日差しが入る
• 風通しが良い

日当たりや気温は重要ですが、直射日光やエアコンの風が直接当たる場所に置くと、葉焼けなどを起こすので注意が必要です。また、水を与えすぎると根腐れを起こすため、7〜10日に1回、表面のバークやミズゴケが乾いてから与えます。受け皿に溜まった水は捨てましょう。

胡蝶蘭は非常に長寿な花で、上手にお世話すると50年以上定期的に花を咲かせるといわれています。

日頃から付き合いのある取引先やお店が移転したときには、移転祝いを贈るでしょう。しかし、どのタイミングで届けるべきなのか、悩む人も多いのではないでしょうか。

移転祝いを贈るのにベストなタイミングは、移転日翌日から2週間以内です。移転から2週間を過ぎると、すでにほかの移転祝いのお返しの準備に取り掛かっている可能性が高く、先方に負担をかける可能性があります。

移転したことを知らなかった、うっかり2週間以上経ってしまったという場合は、これから移転祝いを贈っても良いか確認してもよいかもしれません。移転祝いを贈るのにベストなタイミングとして、移転日前日や移転日当日などといわれることがありますが、移転日の前日や当日は移転作業でバタバタしている可能性があります。

とくに移転日前日に花が届くと、移転先に持っていく荷物が増える、受け取りのために移転先で待っておかねばならないなどで先方に負担をかける可能性があるため、避けるのが無難です。

移転日前日や当日に贈りたい場合は、先方に花が届いても問題ないかを確認したほうが良いでしょう。

そもそも移転祝いを贈っても良いのかを確認することも大切です。移転祝いのお知らせなどに、移転祝いを辞退する旨が記載されている場合、無理に移転祝いを贈ると迷惑になります。

また、業務縮小による移転などの場合は、移転祝いを贈ること自体が失礼になるため、どんな理由で移転するのかも調べておきましょう。

お祝いの花を選ぶときの基本は、「縁起が良いもの」です。「幸福が飛んでくる」という花言葉を持つ胡蝶蘭は、まさにお祝いにぴったりといえるでしょう。そのほかにも、縁起の良い花として以下のようなものがあります。

• ガーベラ:花言葉は「希望」。これからの発展や成功をイメージできて縁起が良い
• スイートピー:花言葉は「門出」。開店祝いや開業祝にぴったり
• ポインセチア:花言葉は「祝福する、幸運を祈る」。お祝いの気持ちや今後の成功を連想させるため縁起が良い

ちょっと変わったところでは、青いバラも「夢叶う」という花言葉を持っているため、縁起が良い花といえます。ただし、青いバラはかつて栽培が不可能といわれていて、栽培に成功する2002年までは「不可能、存在しないもの」という花言葉を持っていました。
贈った相手が花言葉が変わったことを知らない場合、マナー違反と受け取られる可能性があるので注意が必要です。

お祝いの予算は、お相手との関係性やお祝いの内容などによって異なります。一般的な目安は1〜3万円程度ですが、懇意にしている取引先の新社屋完成祝いなどのときには3〜10万円ほどの予算を組むと良いでしょう。

注意したいのが、贈り物の金額などわからないだろうと安易に予算を決めてしまうことです。贈り物を受け取った方がお返しを用意する場合、半返しが基本なので贈り物の値段を調べるのですが、最近はインターネットを使えば正確な金額がわかることが多々あります。

また、胡蝶蘭はわざわざ金額を調べなくても、花茎の本数や輪数(花の数)が多いほど高額であることは、多くの人が知っています。失礼にならず、かつお相手が負担に感じない程度の金額を見極めることが大切です。

胡蝶蘭などのお祝いを贈るときにもうひとつ頭を悩ませるのが、「立札に何を書けば良いのか」ということではないでしょうか。立札には縦書きと横書きがありますが、基本的に書く内容は同じで、下記の2つを記載します。

• 「祝」「御祝」「祝 御開店」などのお祝いの文言
• 送り主の氏名(法人名)

また、花に対して大きすぎたり小さすぎたりしない、適切なサイズの立札を選ぶ必要があります。目安としては、3本立ての胡蝶蘭なら縦24cm×横9cm程度です。ベストな立札の内容や大きさがわからない場合は、お店に相談しましょう。

弊社ではテンプレートに必要事項を記入するだけで、プロのスタッフが適切な内容と大きさの立札をご用意しますので、安心してお任せください。

お祝いで花を贈るときには、白やピンク、オレンジといった明るい色の花を選ぶのがおすすめです。お店や企業に贈るのであれば、ロゴに使われている色やコーポレートカラーの花を選ぶのもよろこばれるでしょう。

赤色の花は美しいですが、火を連想させる色として新築祝いなどでは嫌がられる可能性があるので注意が必要です。

胡蝶蘭にもいろいろな色のものがありますが、お祝いとして取り扱われる胡蝶蘭は白やピンクなどの華やかで、かつマナー違反にならない色のものがほとんどです。どの色の花が良いか迷ったときは、スタッフまでご相談ください。